この記事は、壱岐ライターズクラブ鬼凧のメンバー「ぴあにゃん」さんによる取材記事です。
【Bチーム「ジェントルマン」に密着取材!】
猛暑の壱岐の島に集まった壱岐商業高校1年生4人と、島外から参加した大学生3人。今年で3回目の人材育成プログラム、壱岐i.clubサマープログラム(iSP!2019@IKI)で、Bチーム(ジェントルマン)の「上村真珠」のヒアリングに同行しました。
まず、途中のバスの中で、なぜ今回のプログラムに参加しようと思ったのかインタビューしました。
これまで2回のiSPに参加した友人の話を聞いて、興味を持ち参加したという、九州大学大学院の有馬くん。東京大学3年山西みな美さんも同じく友人から聞き申込、希望者が多かったので、事前に面接もあったそうです。
一方、壱岐商業高校1年の塚元璃桜(りおん)さんは、学校で配られた参加募集のチラシを見て、説明会を聞きに行き、「面白い」と思って参加したそうです。
貴重な夏休みの4日間を費やして、自主的に参加してみようという、高校生と大学生の意気込みを感じました。
【人生初の会社訪問で分かったこと】
上村真珠は壱岐で一番大きな真珠会社ですが、高校生は全く知らないし、参加者全員、初めての会社訪問となりました。
やはり、若者には真珠は身近なモノではなく、ましてその真珠を作る工程は、全く初めてなのでどれも興味深く、真剣に見学していました。
核入れの作業場はエアコンが入っていましたが、そのほかの作業は炎天下の中での作業は重労働のため、若者は少なく、雇用の問題も抱えているそうです。
上村真珠は、貝を10種類ほど自社生産し、天候による被害で貝が全滅することを防いでいるそうです。雨が降らないと、養分が海に流れ込まないので、貝の成長が悪くなると心配されていました。この夏の猛暑で、海水温が4~5℃上がり、貝の状況はとても良くないそうです。
温暖化など自然環境の変化に対応できるように様々な工夫もされていました。
生産した真珠を加工し、製品化して販売もされている上村真珠は、農林水産大臣賞も受賞するほど、業界では有名な企業ですが、壱岐の人にもほとんど知られていないと、嘆いておられました。
現状と課題のヒアリングをしながら、どんどん前のめりに聞き入る高校生の姿は、とても頼もしく感じました。
【「真珠の島」壱岐構想】
塚元璃桜(りおん)さんは、「これからいろいろとアイデアを出したい。」と、とても意欲意的でした。出口梨湖(りこ)さんは、「壱岐の真珠をもっと有名にしたい。」山本凜(りん)さんは、「真珠が若者にもウケるようにしたい。」竹末日波(ひな)さんは、「真珠の大きさをヒントにしたい」と、それぞれに自分なりの目標を見つけているようでした。
しかし、高校生と大学生の柔軟な発想やアイデアで、壱岐の真珠を活かした「真珠の島」構想に大きな期待を寄せられ、かなりのプレッシャーを感じているBチームのメンバー。
これまで、大人がなかなか手をつけていない大きな課題に立ち向かい、解決するためのデザイン思考が4日目にどのような形で出されるのか、とても楽しみになりました。
「たゆまぬ努力」を社訓に壱岐で一から創業された先代社長の思いを感じながら、7人の若者の努力を応援したいと強く思いました。
島の魅力を知り、島の宝を活かしきれていない現状を、どのように変革していくのか?
まさに、“この夏未来をつくる旅に出る”若者の、斬新なアイデアでイノベーションが起こるかもしれない壱岐の島!
今年で3年目のサマープログラムに、私は今回初めて参加しました。学生の皆さんの生の声を聞き、熱い中、真剣に取り組む姿に感銘し、とても刺激を受けました。
同時に、このように壱岐の未来を真剣に考えている若者の存在を、もっと多くの人に知って欲しいと、強く感じました。